吉庵のお料理
春の陽
陽の光とともにほのかに温かさを肌で感じる季節になりました。 野山は待ちあぐねたように一斉に芽吹き始めます。
春のものは総じて柔らかく、初々しく秘めた力を感謝しながら頂きます。
料理人 吉田の気質が伝わる繊細な料理は素材のもつおいしさをただ引き出しただけなのかもしれません。 濃い味の料理が多い昨今、吉庵の淡く複雑な旨味は人間のあらゆる感覚が研ぎ澄まされるような気がします。全品とも手の込んだお料理でこのお値段は絶対にお得です。ぜひご賞味ください。
なお今回はボリュームを考慮して9品のコースとしております。
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付出し
淡い緑のアスパラガスのムースのほのかな甘みに色目も鮮やかなトマトのソース。トップには白と緑のアスパラガス。
蒸し物
白玉蒸し柏餅見立て、矢羽根人参空豆あん射込。菜の花のさわやかなアクセントに白みそベースの出汁は美味しい。
お刺身 <鯛のお刺身>
朝ジメの鯛のお刺身は絶妙な口当たりと旨味。湯引きのタイ皮はお酒とともに。地物のうにはまた格別。
油物 <山芋揚饅頭>
香ばしいさくっとした舌触り、大きな山芋の揚饅頭が銀あんに浸かっています。定番の人気の一品です。
八寸
手前左から菜の花のからしあえ。たけのこ、カツオ節。海老とカナガシラの天婦羅。手前右は胡瓜、イクラの酒粕和え。左奥は木の芽田楽、お宝はウド、イカ、アサリ、新タマネギ。右奥は焼き鱧とこごみの梅酢ジュレ。
八寸皿:阿南是也 作
焼物
香ばしい牛ステーキ、焼き加減上々、控えめなソース量が旨味を引き立てます。新タマネギ、絹サヤ、人参。
酢の物
鯛の木の芽酢。いろあざやかなシャキシャキのうるい、わらび、大根おろし。
御飯 <ちらし寿司>
若鮎の香りにつつまれた芹のちらし寿司。春だなって感じ。茗荷、木の芽、わらび、イクラ、スナップえんどう、錦糸卵。海老真蒸と独活のお吸い物。漬け物。
デザート
抹茶のクリームショコラ、マーマレード添え。
器:阿南是也 他
写真・料理コメント:安東幸夫
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